新築マンションのモデルルームへ足を運ぶ時のワクワクとドキドキ。あれから1年経った今でも思い出すと少し鼓動が早くなるくらいの体験。
「私、本当にマンションを買うんだ。」
と改めて気が引き締まったのを思い出した。モデルルーム見学の予約は机上の空論を卒業した瞬間。しかし1人で勇ましく出陣したのではなく、不動産会社(土地部門だけど)に勤務経験がある親友に同行をお願いするという、カッコ悪い私。
ジェンダーレスな社会になりつつあるけど、不動産業界は男性社会のイメージが強い。独身の女性一人で立ち向かえるか心配だったのよね。
そんな肝っ玉の小さな私が見学したモデルルームの数は3件。営業担当は予想通り3件とも男性。今回は縁があって私を担当してくださった個性豊かな3名の男性をご紹介します。
3件共通 最初に伝えたマンション購入の条件
- 終の棲家にしたい
- 65歳までに住宅ローンを完済したい
- 住宅コストは管理・修繕積立金を含め現在の家賃以下にしたい
この3つは最低条件で、これが叶わない物件は最初から選ばない(選べない)と決めていた。
新築マンションの難しいところは、サイト上では「何階」の「どのタイプの部屋」が「いくら」で売り出されているか、ハッキリとわからいところよね。私が良く見ていたSUUMOは次のような表記が多かった。
- 「価格未定/1LDK~3LDK/43.65㎡~95.79㎡」
- 「4290万円~1億2430万円/1LDK~3LDK/43.65㎡~95.79㎡」
潤沢な資産のある高収入な人なら「何でも持ってこーい!」だけど、如何せん年収300万円台。最初から身分を明かしておかないと無理な営業をされるだろうと思って伏線張ったわけ。
一番最初の「終の棲家にしたい」も譲れない。マンションの買い替えも当たり前のような時代になったけど、年齢的にも資金的にもそんな余裕はない。とにかく私は一生の我が家がほしかった。
1件目 ベテランすぎる営業担当
- おそらく50代
- 販売委託会社の社員(デベロッパーではない)
- オールバックでまとめたギラギラしたタイプ
人気エリアの駅まで徒歩7分の物件のモデルルーム。私以外にも何組か来場中。販売が最終に差し掛かっていて、私が希望する間取りタイプはキッチンの形状が微妙に違う2戸。好みのキッチンは高層階で恐らくお高くなると予想。担当さんもそちらを提案した。
しかし販売価格を聞いて仰天。当初予定していた価格から1000万円もオーバー。ポカーンとなってる私に気づいてないのか気づかぬふりをしているのか、資金計画のシュミレーションを作ってくると。
数分後、私の目の前に差し出された1枚の紙を見て再度ポカーン。もう笑うしかない。
65歳までに完済したいと言ってるのに30年ローン。
→完済77歳になりますけど?
当初5年間ですら家賃の範囲を少し超えた住宅コスト。
→6年目以降、修繕積立金増えるよね?
65歳以降はローン払えないんですけど・・・
売って賃貸に戻ればいいんですよ。
高齢者用の住宅でもいいし。
私の「終の棲家」希望はどこへやら。
年金生活が始まる時に売って賃貸?
その時は僕に言ってください。うちが買い取りますから。
おいおい・・・あんたとっくに隠居生活でしょ。無責任だなぁ。
分不相応なので諦めます。
石橋を叩いても渡らないタイプですよね。
そんなんじゃマンションは買えないですよ。
と人格まで否定されてしまう始末。この道のベテラン営業マンからは、私みたいな人は「客」ではなかったのかも。これ以上時間を頂戴してもいけないから「性格的に購入は無理そうなので、一生賃貸にします。」と断りました。
が・・・
負けず嫌いな私はこれで俄然やる気が出たのだった。絶対ここより良いマンションを買う!と強く決意させてくれたありがたい営業担当でした。
2件目 切り替えが早い営業担当
- 30代後半?(私よりは若い)
- デベロッパーの社員
- 清潔そうなヘア&スーツスタイル
再開発中のエリアの駅まで徒歩5分の物件のモデルルーム。来場者は私たちだけ。販売開始から半年ほど経ってるはずなのに、価格表を見ると「成約済み」がすごく少ないのが気になった。
再開発地域だけあって価格はかなりお高め。私の希望の価格だと1LDKの2階になり、目の前は3階建ての住宅(つまり視界ゼロ)だそう。
再開発エリア独特の事情だと思ったのが、地図を出して現在建設中のマンションの場所、建設がすでに決まってる場所、もしかしたら建つかもしれない場所などを指差し教えてくれた。日に日に環境が変わるエリアだと。
今回の営業担当は私が終の棲家を探してることを理解されていて、
この物件は投資目的での購入が多く、ご希望に沿わないかもしれない。
と正直に話してくれた。
すぐに帰っても良かったんだけど、とても親切な担当さんで今後マンションを探す上で参考になればと、投資用の購入が多いマンションのデメリットや、私が他にも気になっているエリアの特性や物件をチェックする時のポイントなど知識を授けてくれた。
実は1件目のベテラン担当者にこのエリアも気になってることを話したら「投資用のマンションが多い」と忠告されていた。でもこの物件は投資用マンションで有名な「P」や「O」ではなく、ワンルーム投資っぽい間取りはなかったから大丈夫だと思ったんだけどね。
3件目 落ち着き方がベテラン級の若い営業担当
- 30代前半
- デベロッパーの社員
- マッシュヘア&スタイルの良い、ザ・平成生まれ
2件目の再開中のエリアの隣駅のすぐそば。小規模のマンションを得意とするデベロッパーで、完成が近づいてから棟内の一室をモデルルームにして短期間で募集するスタイル。私が訪問したのは募集開始か3ヵ月目に入った頃。すでに各間取りタイプ1戸づつ残し、すべて「成約済み」の隠れた人気物件だった。
営業担当はこれまでの営業さんと比較すると若いが、頭の回転が速いタイプ。私が求めてることや不安に思うことを口にする前にスマートに説明をしてくれる。ただマジでクール。
私も同行してくれた親友も「ココだね!」な感じだったんだけど、何千万円の契約を当日に決めるなんて大胆すぎないか?との迷いが。
じっくり考えてからお返事を下さっても良いですよ。
肝っ玉の小さい私を気遣ってくれたように聞こえるけど、私は知っていた。私の後も見学の予約が入ってることを。
どこまでもクールな男だ。結局この物件に決めたんだけどね。当日に、アハハ。
翌週は正式な売買契約のため再度私だけでお邪魔した。一通り契約手続きが終わった後、少しお時間をいただきたいと。
見学時は友人がいたから聞きたいことを遠慮していたと。あんなにクールボーイだった営業担当がすっごい喋る!しかも奥様と私はお金のに対するマインドや将来の展望が怖いくらい似ているらしく、だから私の求めてることを先回りできたんだとわかった。聞けば奥様も金融機関にお務めだと。私も元金融機関勤務なので共通点多すぎ。
若いのに知識が豊富だったのは、マンションが昔から大好きで大学生の頃から見て回っていたと。マンションの販売が天職な営業担当でした。
3人の営業担当とのその後
モデルルームへ行くと、後からしつこく営業されないか心配な人もいるでしょう。なので私がその後どのような体験をしたのか、営業担当別(会社別な感じかな?)に共有します。
1件目の私にやる気をくれた営業担当
正直、感じの悪い担当だったけど当日中にお礼のメールが届いた。私も少々大人げない断り方を反省していたのでお礼の返信をした。見学させていただいたお礼と「無理のない自分に合った物件をゆっくり探していきます」と。
数日後、私が2件目に訪れた再開発エリアの物件情報の案内メールが届いた。
お話されていた〇〇駅近くで当社が販売を担当している物件があり、最終値下げ+もう少し頑張れるからケイティ様の予算内にできると思う。
さすがベテラン営業マン。私がその地域に関心があることを記録していたのね。けど送ってやりました。
ご連絡ありがとうございます。せっかくの良いお話ですが、先日ご縁がありマンションを購入することができました。
こうして雪辱を果たせたのだった。メデタシメデタシ。
2件目の良い人だった営業担当
切り替えが早いだけあって、特に来場お礼のメールはナシ。担当からの直接メールは来なかったけど、会社にはメールアドレスが記録されているので、頻繁に他の物件の案内が届くようになった。
すぐに拒否するのも感じが悪いかと思い、しばらくしてから「配信を停止してください」と返信。それでも一向に案内メールは止む気配がなく、よくよく見ると「配信の停止を希望する場合は理由を書け」と書いてある。
仕方なくすでに購入したことをプラスして配信停止を送ると、ようやく止まったのだった。
この物件はその後も全然買い手がつかず、一棟売りをして賃貸になったとさ。再開発エリアは供給過多気味なところがあるよね。
3件目の元クールボーイな営業担当
鍵の受け渡しまで誠実に対応をしてくれました。私は全て一人で考えて行動をしなくてはいけなかったから、彼のマメさと面倒見の良さには非常に助けられた。
「物件選びはご縁」と言われるけど、今回のマンション購入で納得した。マンションを気に入ったのはもちろんだけど、彼が担当についてくれたのがこの物件とのご縁の始まりだと思う。
一番物静かで一番年齢も若い担当なのに、話していても「ソワソワ感」がなく気分がフラットな状態で話をすることができた(1件目は血圧上がりっぱなしだったからね)。
どれだけ素晴らしいマンションでも営業担当次第で印象が悪くなることも。マンションの営業担当というと強引なイメージがあるかもしれないけど、お客様の事を誠実に考えてくれる人はいるから、今物件を探してる皆様がそのような人に巡り会えることを祈ってます。
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